"　厚木市の路上で２００２年６月、飲食店従業員の女性が自宅前で殺害された事件があり、県警は２０日、小田原市中里の電気設備業山本孝幸容疑者（３２）を殺人容疑で逮捕し、発表した。山本容疑者は「覚えていません」..."

　厚木市の路上で２００２年６月、飲食店従業員の女性が自宅前で殺害された事件があり、県警は２０日、小田原市中里の電気設備業山本孝幸容疑者（３２）を殺人容疑で逮捕し、発表した。山本容疑者は「覚えていません」と話しているという。

　捜査１課によると、山本容疑者は０２年６月２５日午前０時ごろ、厚木市下依知の路上で、飲食店従業員の奥野京子さん（当時４８）を首を絞 めるなどして殺害した疑いが持たれている。山本容疑者は事件当時、現場から約５００メートル離れたアパートに住んでいたが、それ以外に２人の接点は確認さ れていないという。

　女性の所持品から携帯電話や財布がなくなっており、携帯電話は事件後も約１カ月間使われていたことが判明。通話履歴などの捜査から山本容疑者が浮かんだ。現場の遺留物のＤＮＡ型も一致したという。

　山本容疑者は事件当時、コンビニの棚卸し作業員として勤務。事件後の０２年１０月に契約期間を１年残して厚木市のアパートを引き払い、小田原市内の現在とは別の場所に転居していた。家電量販店従業員として働いた後、電気設備業を自営していたという。

　２００２年に起きた殺人事件が、９年ぶりに解明に向けて動き出した。この春にできた未解決事件特命班の捜査を受け、県警は容疑者の逮捕に踏み切った。

　殺人罪の時効撤廃を受けて県警は今年３月、捜査１課に長期未解決事件を専門に担当する係を設置。厚木市の事件の捜査にも加わっていた。

　逮捕された山本容疑者が住んでいたアパートの関係者によると、山本容疑者は入居した時に引っ越しのあいさつに来たが、印象に残らないタイプだったという。一方で、被害者の女性を知る人は「気さくな人」と話す。焼き肉店で働きながら、子供を育てていたという。

　捜査は長期化したが、これまでの蓄積に特命班が新たな視点での裏付けを加えたことで、捜査は進展したという。