パンツァーファウスト(独:Panzerfaust)は、第二次世界大戦中のドイツ軍が使用した携帯性の高い対戦車擲弾発射装置である。「ファウストパトローネ」(Faustpatrone)
フーゴ・シュナイダー社 (HASAG) で開発され、1943年夏から生産された。シュリーベン強制収容所 (KZ Schlieben) が量産を担当し、月産150万発の要求を満たすために収容者が酷使された。1945年のドイツ敗北までにいくつかの改良型が生産された。構造の単純さとその有効性から大量生産され、末期のドイツ陸軍を写した写真資料にも残る。複数本の携帯も可能だったため、一人で多数の車両を破壊した兵士も多いとされる。ベルリン攻防戦では、国民突撃隊に一人一本提供され、銃はなくともパンツァーファウストはあるという状況も生じた。連合国軍にも多数捕獲されたが、誤使用や安全装置の不備による事故が多発したため、アメリカ軍では使用禁止の通達が出されている。