地震や水害などの災害時、学校や預け先で被災した子どもを守ろうと、京都市北区の女性が、子どもの非常用バッグを提案している。家族の連絡先や手紙、写真をお菓子や懐中電灯などと一緒に保管することで「すぐに迎えに行けない時、子どもも親も安心できる」と話している。
3年前までカナダ・バンクーバー市に住んでいた幼児教育関連業高橋泰代さん(42)。子どもが通っていた現地の小学校が実践していた取り組みという。
縦15センチ、横16センチの透明なファスナー袋に、▽菓子やあめ▽懐中電灯と予備電池▽非常用サバイバルシート▽ごみ袋▽笛▽家族の写真▽家族からのメッセージや緊急連絡先のカード▽子どもが好きなカードゲーム(トランプなど)▽お守り-を入れる。千円ほどで買いそろえられ、重さは約340グラムという。
東日本大震災後、ブログで紹介したところ反響があった。特に公共交通機関の不通で帰宅難民が発生した関東地方から「中身を詳しく知りたい」という問い合わせが相次いだ。高橋さんは「非常時『ホッとbag』プロジェクト」と名付け、希望者に資料を送っている。
ブログ読者の親の口添えで、市内の私立小ではすでに取り入れたところもある。高橋さんは「家族と離れて過ごす時、手紙や写真があれば心細さも和らぐのでは」と話す。問い合わせは高橋さんのメール〈hotbag.project@gmail.com〉。