東芝は夏休みの日数を増やしたり、職場ごとの休日を分散させたりしてピークに比べて電力使用量を3割削減することを目指す。
電力使用の多い7~8月の休日を増やすため、5月と10月の休日を減らす計画。1週間程度の夏の一斉休業を2回に増やす。期間も全社一律ではなく、職場や事業所でずらす。労使で決めた年間の休日予定をいったん白紙に戻して協議している。
コマツは電力使用量の4割カットを目指す。昨年閉鎖した小松工場(石川県小松市)跡地に整備していた大型の研修所が近く一部稼働する。東電の節電の影響を受けないので5月以降、主要な国際会議はここで開く。
大量に電力を使用する工場は「時間差操業」で節電に取り組む。住友重機械工業は休日や夜間を含む勤務シフトに組み替えた。三井造船は電力を多く使う鋼板と鋼板をつなぎあわせる溶接工程を夜間や休日に回す。
牧野フライス製作所も工作機械の組み立てを早朝6時から動かし、その前の工程は逆に深夜3時まで操業させている。静岡県と山梨県に工場がある医療機器大手のテルモも休日、夜間への操業シフトを進めている。
昭和電工では磁石合金など連続運転の必要がない工場について、夜間や休日操業に切り替える検討に入った。石油化学製品など原則24時間操業の工場に関しても昼間の稼働率を下げる。三井化学は茂原分工場(千葉県茂原市)を土日操業に切り替える検討をしている。
各社共通の課題は、電力使用量がピークを迎える夏場の対策だ。新日本製鉄は君津製鉄所(千葉県君津市)で鋼材圧延などの下工程設備の定期修理を夏に集中的に実施する案を検討している。
製鉄所内の圧延工程などは高炉など上工程で発生する副生ガスをエネルギー源として使う。下工程を止めて点検、修理することでエネルギー消費を減らし、余ったガスを東京電力と折半出資する火力発電所に供給する。
- 夏の節電、休日分散や設備休止で 東芝・新日鉄など :日本経済新聞