東京都知事選(10日投開票)の有力候補者4人が3日、フジテレビ「新報道2001」に出演した。石原慎太郎都知事(78)が各候補者と討論する のは初めて。東日本大震災を受け、“原発推進派”の石原都知事に、東国原英夫氏(53)、渡辺美樹氏(51)、小池晃氏(50)が待ったをかけた。さらな る討論会開催を求める3氏に対し、慎太郎氏は「どうでもいいね」と一蹴。慎太郎氏を交えた討論会は今回が最初で最後になりそうだ。
“慎太 郎氏VS残り3人”の対立が明確になったのは、原発を巡る議論だった。「原子力発電の問題を真剣に見直さないとダメ」と切り出した小池氏が「石原さんは依 然として原発推進論者だと福島でおっしゃった」と指摘。渡辺氏も「原子力発電は反対です。非常に危険であることが証明された」と続き、東国原氏も「立ち止 まって考えるべき」と主張した。
慎太郎氏は都の防災服姿。「フランスは原子力発電をうまくやっている」「何も、原子力一辺倒と言ってるわ けじゃない」などと主張し、小池氏には「そんなこと(原発推進論者と)言ってない」と反論。小池氏は「いやいやハッキリ報道されてます。ごまかさないでく ださい」と言い返した。
「現役王者と挑戦者」の立場の違いは随所で見られた。渡辺氏が節電や原発を巡る対応について「国の責任もあるが東 京都の責任もあるんじゃないか」と突っ込むと、石原氏は「全然違う、国の責任ですよ」とピシャリ。「福祉の町づくりを怠ってきた」と石原都政を批判した小 池氏には「共産党はいつも同じことを言う」。小池氏の「きちんと私の名前で言ってください」との求めにも「だってあなた、共産党の人じゃないですか」。
かみ合わない議論に、同席していた防災システム研究所所長の山村武彦氏が「こういう時は責任のなすり合いとか、追及ではなくて提案する場」と苦言を呈する場面もあった。
それでも“慎太郎節”は止まらない。築地市場移転について「トップが現場に来ないから話ができない」と指摘した東国原氏に「散々話したんだよ!」とキレ気味に。相手を「コクバルさん」と呼び、小池氏を「全然ナンセンス」と切り捨てた。
「選挙どころでない」と街頭に立たず、公務を理由に告示前の討論に参加しなかった慎太郎氏。やっと実現した初の直接対決だが、挑戦者3氏が現役王者に強烈 なパンチを浴びせる場面は少なかった。出演後、3人は「もっと討論の機会が欲しい」と訴えたが、慎太郎氏は「どうでもいいね」と言い残して立ち去った。
今後、討論会の予定はなし。毎回、論客候補が激しい舌戦を繰り広げてきた都知事選も、今回は震災や原発事故の影響でメディア露出はほとんどない。首都決戦は盛り上がりに欠けたまま、投票日を迎えることになりそうだ。
”- 東国原・渡辺・小池氏、石原氏の原発容認発言追及も議論かみ合わず…東京都知事選(スポーツ報知) - livedoor ニュース