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" テープがない-。東日本大震災で、テレビ業界で圧倒的シェアを持つソニーのデジタルテープ工場が被災し、撮影などに必要なテープ不足に業界が悲鳴を上げている。他社製品に注文が殺到しているものの、安定供給は当面..."

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 テープがない-。東日本大震災で、テレビ業界で圧倒的シェアを持つソニーのデジタルテープ工場が被災し、撮影などに必要なテープ不足に業界が悲鳴を上げている。他社製品に注文が殺到しているものの、安定供給は当面難く、危機感が高まっている。

  被災したのは、ソニーケミカル&インフォメーションデバイスの多賀城事業所(宮城県多賀城市)。テレビ番組の撮影・編集などに使用される「HDCAM」規 格のデジタルテープの生産拠点で、「業界でソニー製以外を見るのはまれで、シェアは7割」(関係者)とも言われる。しかし、津波で1階が浸水して操業が停 止。同社によると、復旧のめどはたっていない。

 テレビ朝日広報部は「節約や可能な範囲での再使用、他のメーカーとの相談などで放送に支障 が出ないよう努める」、NHK経営広報部は「すでに他メーカーに切り替えて対応している」とコメント。だが、テレビ局より深刻なのは、番組を制作し、テレ ビ局に納入している映像プロダクションなどだ。

 春の新番組を控えてテープ需要が高かった上、期末で業者が在庫整理をしていたこともあり、映像プロでは「現在、ソニー製のHDCAMがまったく手に入らない」と声をそろえる。

 ある大手映像製作会社の社員は「特に連休明けの3月22日ごろはテープが枯渇状態。海外取材にいくチームに持たせるテープが見つからず、ようやく調達して送り出したときは心底ほっとした」という。

 HDCAM規格のテープでシェア第2位の富士フイルム、第3位の日立マクセルには注文が殺到。両社は「震災後3週間で通常の2カ月分の注文を受けた」という。しかし、映像プロ向けの注文はさばき切れず、増産についても「計画停電もあり、当面は通常の生産量維持がやっと」(富士)という状態だ。  前述の社員は「今は震災で番組の制作スケジュールが延びて助かっている。通常放送に戻る前に、何とかテープが出回るようになってほしい」と話す。(岡本耕治)



- 【東日本大震災】テープがない! テレビ業界悲鳴「シェア7割」のソニー工場被災 (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

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