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"1)電力需要の時空間シフト  今夏までに東京電力が準備するとされる最大電力供給量4650万kWをベースに、さらなる電力供給の増加ポテンシャルは約365万kW、省エネやライフ スタイルの変化による総需要..."

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1)電力需要の時空間シフト
 今夏までに東京電力が準備するとされる最大電力供給量4650万kWをベースに、さらなる電力供給の増加ポテンシャルは約365万kW、省エネやライフ スタイルの変化による総需要削減ポテンシャルは約280万kWと見積もっています。大規模な計画停電を回避するためには、電力需要を時間的・空間的にシフ トさせることが効果的で、これには約765万kWの削減ポテンシャルがあると試算し、これらの方策を合わせると適用前のピーク需要相当で最大6000万 kWまで対応可能であると考えています。時間的シフトには、ピーク需要時間帯を避けた勤務シフトと七曜制にとらわれない暫定的な休日設定を含み、これには 労働基準法の時限的な規制緩和なども必要になります。一方、空間的シフトは、インセンティブによって企業活動を東京・東北電力管外あるいは海外の事業所へ シフトさせ、それに付随する勤労者世帯の一時的な移転などを意味します。

2)電力需要の詳細データの開示

 今、最大電力供給量に対して全需要量がどの程度切迫しているか、なぜさらなる節電をする必要があるかを各人が判断し、納得した上で行動するためにも、電 力需要を見える化することはとても有効です。すでに東京電力のWebサイトにおいて使用状況が1時間当たりの平均需要グラフとして閲覧可能ですが、速報性 の向上や地域ごとの使用状況、天気や休日を考慮した短・中期の需要予測など、よりきめ細かく情報提供することで、大規模停電を避けるための効果的な行動の 啓発と工場や店舗の営業計画に役立つことが期待できます。

3)電力供給中期ビジョンの提示

 今夏を乗り切るためには、電力需要の時空間シフトが必要と提言しましたが、移転を伴う場合は「いったいいつまで?」との当惑や困惑が生じます。見通しが 立たない中では、個々人の生活設計ももちろんですが、企業の不必要な海外流出による雇用喪失・産業の空洞化も大いに懸念されます。政府は、今夏以降~数年 後までの中期ビジョンと国民や企業に対する指針をきちんと示すべきです。これは一電力会社だけの仕事ではなく、新たな電力システムの構築について官民一体 となって議論し、得られた成案をアナウンスすべきです。


- 大震災による東日本の電力不足に関する緊急提言 | 化学工学会 夢を拓く頭脳の集い

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