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" ◆短期的課題  目の前にある最大の課題は、高濃度の放射能に汚染された大量の水処理だ。作業用トンネル(トレンチ)にたまっている汚染水だけで、計約1万3000トン。このほか、量は不明だが、タービン建屋の地..."

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 ◆短期的課題

 目の前にある最大の課題は、高濃度の放射能に汚染された大量の水処理だ。作業用トンネル(トレンチ)にたまっている汚染水だけで、計約1万3000トン。このほか、量は不明だが、タービン建屋の地下にある大量の汚染水も除去しなくてはならない。

 汚染水を除去できれば、原子炉本来の効率的な冷却機能復活への道が開ける。しかし、現状では汚染水に阻まれ、原子炉の制御機器を動かす外部電源ケーブルすら敷設できていない。

 内部の放射線が強すぎて機器の修理ができなかったり、汚染水の排水ができなかったりして、電源が回復しないといった事態も想定される。漏えいが続 くと、一時的な保管場所にしている外部タンクでは間に合わなくなる。関係者から「新たな貯蔵場所を、早急に確保しなければならない」という意見が出ている のには、こうした背景がある。

 汚染水を除去できたとして、同原発からの放射性物質の大量放出を止め、安全な状態に持ち込むには、原子炉を「冷温停止」と呼ばれる段階にする必要 がある。杉山憲一郎・北大教授は「外部電源で本来の冷却装置を動かし、水を循環させることができれば、1~2日で冷温停止に導ける」と話す。廃炉に向け、 核燃料をさらに冷やして取り出せる状態にするには、さらに数年はかかりそうだ。

 一方、仮設ポンプで炉心に水を送り続ける現状が続くと事態はより深刻になる。海老沢徹・元京都大原子炉実験所助教授は「核燃料は少しずつ冷えていくが、冷温停止には少なくとも数か月を要するだろう」と、推測する。このシナリオだと、水の注入量は増え、汚染水も増える。



- 福島第一原発、廃炉は数十年がかり : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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