Q 津波対策への認識が甘かったのではないか
勝俣会長「これまで地震、津波は過去に発生したものを設計に入れてきたつもりだった。しかし、こういう事態になったことを真摯(しんし)に受け止め、どうしてこうなったかを含めて、十分に調査、検討していきたい。こうした事態になったことは、本当に大変申し訳なく、真摯に受け止める」
Q 福島第1の1~4号は廃炉という考えだが、5、6号機。福島第2はどうか。また、東北電力の女川原発は甚大な被害は避けることができたが、東電に欠けていたものは何か。もう1点、それに関連して先ほど損害賠償は制度に基づきといったが、東電が負担しきれない部分は国が支援することになり、天災の場合は免責事項もあるが、どう考えるのか。あと柏崎刈羽原発(新潟県)については想定の地震対策はできていると思うが、想定外の地震が起きた時に絶対安全か
勝俣会長「5、6号機や、福島第2は総点検してみないと分からないが、基本的な機能は残っている。今後どう対応するかは、まさに国と立地地域といろいろなご意見をうかがいながらのことになると思います。それから、ほかの原発に比べてという問題だが、正直、あまり分からないが、どちらかといえば、下にくるほど地震が小さかったと思うが、こうした点も今後検討して明らかにしたい。それから、原発損害賠償法だが、とくに免責についてはスキームがはっきりしていない法律。政府がこれからどういう風な具体的な法律を制定するかによるところが大だ」
「柏崎だが、津波に対しても余裕ある設計だが、改めて本日から原子力安全・保安院からチェック事項、が指示されているので、チェックをかけて足りない部分は充足させることが大事だと考えている」
Q 現在の炉の健全性について格納容器含めて、どのように考えているか
勝俣会長「正直に申し上げて、原子炉の状況、格納容器、プールの燃料棒の状況を正確に把握するのが難しい状況。温度や圧力など取れるデータで安定性を計っている。従って、今後、冷却を含めて安定させることが急務だ。炉の状況をいかに詳細に把握するかに専心したいが、線量が高いという課題がある」
Q 自らの対応にまずさはなかったか。意思決定が遅かったのではないか
勝俣会長「遅さというのは私自身は感じていないが、今後、客観的に調査して悪いところは直したい」
Q 1、3号機の爆発は避けられたのではないか
勝俣会長「わたしどもとしては、運用としてベストを尽くした」
Q 清水社長が16日に倒れたが、トップ不在は異常だ
勝俣会長「基本的に清水は社内にいたので、そうしたことを踏まえて、わたしも常時、統合本部の席にいて、発電所、オフサイトセンターとのやりとり、官邸とのやりとりにかかわっていた」
Q 損害賠償として個人の財産を回すのか
勝俣会長「プライベートに関わる問題なので控えさせていただく」
Q 事故発生後、東電から官邸に原発から撤退したいという情報があったが、正確か。もう1点、海水注入について、東電は当初、設備に毀損を与えかねないと反対したと聞いているが、事実はどうなのか。発電所の環境は劣悪な環境の中で作業しているが
勝俣会長「まず撤退の件だが、当時、800人を超える人々が第1にいた。直接の運営に関わらない人もいたので、そうした半分くらいの人員は撤退を考えたが、全体として発電所の運営に関わる人は、そういうことではないので、誤解があろうと思う。海水注入はその当時、席上にいたが、1号機、3号機に入れることに躊躇(ちゅうちょ)、ためらいはなかった。発電所の環境は、非常に毎日毎日2週間くらい厳しい状況。極めて緊迫した状況。環境にまで配慮する余裕なかったのは、そこで働く人に申し訳なく思う。現時点ではそこはだいぶ改善してきた。29日に線量が上がったが、鉛で遮蔽(しゃへい)するとか、あるいは人数を減らして、今のところ29日からはだいたい200人くらいに絞って、次の基地を第2発電所の体育館に設置し、最高司令部は第1に残すよう環境を改善した。要望を踏まえてできる限りのことをしたい」
”- 東電・勝俣会長会見(3)「海水注入に躊躇、ためらいはなかった」+(1/3ページ) - MSN産経ニュース