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" 東日本大震災で深刻な津波被害を受けた岩手県陸前高田市で、広田半島を隔てた二つの湾に入った津波が陸地で合流して3キロ離れた湾同士がつながり、一時 的に半島を分断していた。史上最悪の津波災害とされる明治三..."

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“ 東日本大震災で深刻な津波被害を受けた岩手県陸前高田市で、広田半島を隔てた二つの湾に入った津波が陸地で合流して3キロ離れた湾同士がつながり、一時 的に半島を分断していた。史上最悪の津波災害とされる明治三陸地震津波(1896年)でも同様の現象が起きた。陸前高田での現象は、東日本大震災の津波が 明治三陸津波に匹敵するほどの威力があった可能性があることを示している。

 津波が合流した場所は、陸前高田市南東部に突き出た広田半島の小友町地区。広田湾側と只出(ただいで)漁港側の湾との間にあるJR大船渡線周辺の陸地は津波後、ほとんど家屋が無くなり、3キロにわたってがれきが続く。
 津波の合流を目撃した複数の住民によると、11日の地震発生後、只出漁港側から高さ3~5メートルの津波が入り込んだ。その直後、広田湾側からは高さ 10メートル前後の津波が到来し、二つの津波が広田半島先端部に通じる県道付近でぶつかり合い、巨大な波しぶきが上がったという。
 10~15分後には、また両方向から津波が押し寄せ、再び合流した。海水が引くまでJR大船渡線周辺の陸地は水路のようになり、広田湾と只出漁港側の湾がつながった。小友地区より先の広田半島は一時的に陸路が寸断された。
 高台に逃げて無事だった丹羽五百子(いおこ)さん(71)は「二つの津波が家々をのみ込みながら、表現できないような音を立ててぶつかり合った。現実ではあり得ないことが目の前で起きて、生きた心地がしなかった」と振り返る。
 明治三陸地震津波では、大船渡市の綾里(りょうり)半島で2キロ離れた綾里白浜地区と綾里港地区に押し寄せた津波が合流。この時、白浜地区では津波が標高38.2メートル地点まで到達し、国内観測史上最高記録となっている。
 当時の津波の合流と湾がつながった現象は綾里地区で「水合(みずあい)」と呼ばれ、今でも明治三陸地震津波の壮絶さを伝える話として語り継がれている。(中村洋介)

<前後から波、脅威>
堺茂樹岩手大地域防災研究センター長(海岸工学)の話

 大きな津波が発生した際の特徴ともいえる現象だ。半島の場合、付け根の部分に津波が迫ってくるので、半島を分断してしまう。半島で暮らす住民にとって目の前と背後から津波が押し寄せて来る状況なので、非常に恐ろしい災害といえる。”

- 津波“挟撃”半島分断 陸前高田・広田半島で「水合」 (河北新報) - Yahoo!ニュース

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