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- 僕の身近な「放射線」の話 - 琥珀色の戯言 (via toronei)
あと、今日のお昼、同僚が「2人の患者さんにCT検査を勧めたのだが、『被ばくするから』という理由で断られた。病気を見逃すリスクのほうが怖いって、さんざん説明したんだけど」と嘆いていた。
普段は、あまり必要性がなさそうと判断し、被ばくのリスクを説明しても、「病気が心配だから、絶対にCT撮ってくれ」という人のほうが多いくらいなのに。
実際のところ、CT撮影でさらされる放射線が、少なくとも短期的に直接的に人体に影響することはないと考えられるし、長期的には発がんのリス クを指摘した論文もあるのだけれど、それが本当に「正しい評価」なのかはなんとも言えない。もちろん、「放射線にさらされないに越したことはない」のだ が、レントゲンやCTは「検診で年に1~2回、あるいは病気が積極的に疑われる人」にしかやらない検査なので、人道的にも「放射線の影響を比較するため に、検査をしなかったグループ」を設定して比較することはできないのだ。
ちなみに、医者の世界には、「放射線を使用する検査」というのは少なからずあって、放射線を使用する科では、被ばく線量を測定するバッチをつけて業務にあたっている。
僕もそのうちのひとりなのだが、まあ、いまのところ、基準値をこえた線量をあびたことはない。
もちろん、放射線をさえぎるプロテクターをつけて仕事をしているし、定期的に健康診断も受けている。
僕よりももっと多くの放射線関係の業務に従事している放射線科の医師たちについても、被ばく量が多いから、業務停止になった、という話は、いまのところ聞いたことがない。
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