Quantcast
Channel: Shiitake's tumblr.
Viewing all articles
Browse latest Browse all 46471

"◆乳児のミルク..."

$
0
0

◆乳児のミルク 困った

 都水道局の金町浄水場(葛飾区)の水道水から、乳児の飲み水について国が決めた指標の2倍を超える放射性ヨウ素が検出され、都内の多くの 自治体は対応に追われた。保育施設では、1歳未満の乳児の粉ミルクなどに水道水を使わない対応を相次いで決めた。スーパーなどにはもともと品薄の飲料水を 買い求める客が殺到した。

 都が23日、乳児に水道水を与えるのを控えるよう呼びかけたのは、金町浄水場と同じ江戸川を水源とする23区全域と多摩地域の武蔵野、三鷹、町田、多摩、稲城の5市。

 対象の自治体には、都の発表直後から、問い合わせが相次いだ。同浄水場がある葛飾区では、乳児の粉ミルクや飲用に水道水をできるだけ控えるよう説明し、ホームページにも掲載した。

 7歳と5歳の娘がいる同区柴又の主婦(36)は「母親たちと放射能の話をしていたが、浄水場の水まで、という感じだ。これからどうしたらいいのか」と困惑していた。

 世田谷区は、区立保育園に0歳児を預ける保護者に飲み水の水筒を持参してもらうことを決めた。1歳以上の子どもについては保護者の判断に 任せる。また、港区は24日から、区内の0歳児に3日分の水(6リットル)を配ることを決めた。台東区も備蓄していた水を保育園などに配布できるか検討を 始めた。

 稲城市は24日から、別の浄水場の水を入れた給水車を市内の全保育所20園に巡回させることを決めた。稲城市と町田市は、計画停電の導入にともなう断水の心配から、従来の東村山や朝霞の浄水場に加えて金町浄水場の水を使い始めたばかりだったという。

 一方、スーパーなどにはペットボトルの飲料水を買い求める客が次々に訪れた。

 多摩市の「イトーヨーカドー多摩センター店」では、都の発表から間もない午後3時過ぎには、陳列棚に「水完売です」と紙が張り出された。その後も、お茶やスポーツドリンクなどをまとめ買いする人の姿が多く見られた。

 2リットル入りお茶のケース二つをカートに入れた市内の主婦(66)は、葛飾区に住む次男の妻から頼まれたという。「買い占めしてるみたいで申し訳ないけど、1歳と5歳の孫のことを考えるとね」

 文京区の大型スーパーでも水を買い求める客が相次ぎ、棚は一部の炭酸水や温泉水を除いて空になった。同店は震災後、ミネラルウオーターは 1人につき2リットル、牛乳は1リットルの制限を設けていた。店幹部は「水や牛乳は震災後はずっと品薄だったが、今日は特に買い求める人が増えた。販売側 としては、客にきちんと説明できるよう情報が欲しい」と話す。

 三鷹市の主婦(48)は午後3時ごろ、吉祥寺駅近くのスーパーに行くと、レジに水を買い求める数十人が並んでいた。この女性や周りにいた 人たちは、市の防災無線が「水道水を飲むのは控えて」と流した時、乳児に限らず全市民が対象であるかのように聞こえ、驚いて店に駆けつけたという。

◆金町浄水場 給水主に東部地域/汚染低減へ活性炭増量

 葛飾区の金町浄水場には午後3時半ごろから報道機関が集まり、職員が対応に追われた。

 都によると、都内に水を供給する主な浄水場は11ある。このうち金町浄水場の給水区域は墨田、江東、葛飾、江戸川、足立、荒川の6区全域、台東区の大部分、北区と中央区の一部。給水人口は約250万人になる。

 都は、金町と同じように江戸川を水源としているほかの地域でも指標値を超える放射性物質が検出される可能性があるとみて、23区全域と多摩地域の5市で、乳児に水道水を与えるのを控えるよう求めた。

 福島原発の事故で、各地で相当量の放射性物質が測定されると、金町浄水場は念のため、汚染レベルを下げる努力をしていた。雨が降った21 日深夜からは、粉末活性炭を通常の3倍、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を同じく3割増で注入。23日、乳児の飲用に適さない値の放射性ヨウ素が測定され ると、さらに量を増やした。

 金町浄水場で測定された放射性物質は川の水に含まれていたとみられる。同浄水場では「初めての経験」と戸惑いつつ、多田純介技術課長は「効果があるとされる活性炭と凝集剤の注入強化で、放射性ヨウ素を減らす努力をしていきたい」と話している。

 金町浄水場は1926(大正15)年から給水が始まり、今は1日あたり150万立方メートルの給水能力を備えている。

◆厳しい指標、冷静に/乳幼児と妊婦は注意
 長瀧重信・長崎大名誉教授(被曝医療)

 金町浄水場で検出されたヨウ素131は、乳児の飲み水に関する国の指標値の2倍を超えているが、指標値は元々安全を期して非常に厳しく設定されている。国民は冷静にならなければいけないし、そのためにも国が正確な情報を迅速に出す必要がある。

 旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故のあと、ヨウ素131の入った牛乳を飲んで甲状腺がんになる旧ソ連の子どもが増え、現在は約6 千人と報告されている。この結果をもとに、甲状腺がんを発症させないヨウ素131の指標値について国内外の研究者が議論を重ねた。その結果を踏まえ、安全 を旨として、「この量なら乳児が1年間取り続けても大丈夫」と厳しく設定された数値が国の指標値になっている。

 今回検出された濃度の水を子どもが1年間飲み続けた場合でも安全だ。しかし、チェルノブイリ事故では、自然状態で年間100万人に1人と いわれる甲状腺がんの患者が1万人に1人程度に増える地域が認められた。このことを考えれば、小学生以下、特に5歳以下の乳幼児と妊婦は飲むのを避けたほ うがよいと言える。

 一方で、大人は水道水を飲み続けても安全だ。チェルノブイリ事故でも、大人は甲状腺がんを発症していない。手洗いも入浴・シャワーも全く問題ない。皮膚から吸収される放射線量は食品を介した摂取量に比べてはるかに低い。

 チェルノブイリ事故は、国民に信頼されるリーダーが正確な情報を開示し、的確な対策を指示することの大切さを教訓として残した。今回の原発事故では、政府高官が「直ちに健康に影響が出るレベルではない」と繰り返すばかりで、理由を説明しないのは残念だ。



- asahi.com:金町浄水場 水道水から放射性物質-マイタウン東京

Viewing all articles
Browse latest Browse all 46471

Trending Articles