"　日本の民間部門は、政府の赤字を埋められるだけの資金余剰となっており、多額の資本を海外に輸出している。全体として見ると日本は世界最大の債権者で、GDPの60％に相当する対外純資産を抱えている。要するに、..."

　日本の民間部門は、政府の赤字を埋められるだけの資金余剰となっており、多額の資本を海外に輸出している。全体として見ると日本は世界最大の債権者で、GDPの60％に相当する対外純資産を抱えている。要するに、日本の民間部門の資産は、公的部門の債務を大幅に上回っているのだ。

政府の債務は、日本人が自分たち自身からカネを借りる手段だ。いつか、こうした債務は徴税に発展するだろう。あからさまな税の場合もあれば、隠れた税の場合もある（後者であれば、インフレを通じて日本政府の債務を軽減することになる）。

　政府の収入総額はまだGDPの33％にすぎないため、増税はそれほど難しくないはずだ。日本政府が差し迫った財政危機に直面しているという考えは、筆者にはかなり奇妙に思える。