柄がついたままの石器出土、ハンマー説裏付け (読売新聞) - Yahoo!ニュース
かながわ考古学財団が調査を行っている神奈川県海老名市の河原口坊中(かわらぐちぼうじゅう)遺跡で、円盤に穴を開けた形の弥生時代の石器が、木製の柄のついたまま出土した。
木は腐りやすく、石器と柄がセットで見つかるのは極めて珍しい。この形の石器は各地で出土しており、今回の発見によりハンマーのように物をたたく目的で使われていた可能性が高まった。
石器は、弥生時代中期(紀元1世紀頃)の川の跡の泥の中から出土。直径約9センチ、厚さ最大約3センチの円盤状の安山岩に、直径約2・5センチの穴があり、穴に差し込まれた柄が長さ16センチ分残っていた。柄は石器側の先端が丸く削られていた。
研究者の間では、この形の石器を、周囲を刃物状に加工した「環状石斧(せきふ)」の一種とみて、物をたたく道具と考える説と、魚網に結びつけた錘(おもり)と考えて「石錘(せきすい)」と呼ぶ説に見解が分かれていた。岡本孝之・慶応大准教授(考古学)は「物をたたく道具だったことがはっきりした。一部は祭祀(さいし)に使われていた可能性もある」と指摘している。