映画やテレビドラマで活躍し、クイズ番組でも親しまれたタレントの児玉清(こだま・きよし、本名北川清=きたがわ・きよし)さんが16日午後0時 28分、胃がんのため東京都内の病院で亡くなった。77歳だった。3月中旬に胃がんが見つかり、肝臓にも転移。児玉さんはがんを告知されていたという。今 年3月31日に司会を務めるABCのクイズ番組「パネルクイズ アタック25」の収録を欠席した際は、肝機能障害と発表していた。
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お洒落(しゃれ)で洗練された知性派‐。ドラマや映画には欠かせない名優が天国へと旅立った。
東京・渋谷区千駄ケ谷の自宅前で対応した長男の会社員・大祐(だいすけ)さん(41)によると、14日に容体が急変。15日には意識不明となった。大切な家族、大祐さんと、妻の好子(よしこ)さんにみとられての静かな最期だった。
大きな病気をしたこともなく、「健康な体は親からもらったものですね」と話していた児玉さんが食欲不振を訴えたのは2月下旬。3月上旬に病院で精密検査を 受けた結果、胃がんと診断された。実は昨年10月に体調を崩し、CTスキャンなどの検査をしたが、胃カメラは拒否したという。3月下旬に入院したが、肝臓 にも転移しており、すでに手遅れだった。
「アタック25」の司会を放送開始以来、36年間にわたって務めた。「アタックチャ~ンス!」の 掛け声は番組の代名詞となった。収録を休んだのは1984年(虫垂炎)と今年3月31日の2度だけ。3月23日のNHKBSプレミアムの開局記念番組の収 録が最後の仕事となった。
芸能界きっての読書家として知られ、切り絵は個展を開くほどの腕前だった。大祐さんによると、入院中はベッドの 上で「切り絵と絵が書きたい」と話していたという。「なんとか仕事に復帰したかったんじゃないかと思います。私にとって立派な父で尊敬してますし、感謝も しています」と話した。
02年に最愛の娘を36歳という若さで失った。08年にドラマ「鹿男あをによし」で共演した女優・綾瀬はるか (26)は撮影の合間に役者としてだけでなく、人としての生き方を教わったという。「ご病気で亡くされた娘さんのお話も聞かせてくださり『それ以上に悲し いことはない』と言われていたのを思い出します」と回想。「若々しくスラッとされていて、紳士という言葉が似合う方でした。御冥福と天国で娘さんと無事お 会いになられることをお祈りします」と追悼のコメントを寄せた。
”- 児玉清さん死去…日曜の昼下がり彩る/芸能・社会/デイリースポーツonline