北京オリンピックの男子マラソンの金メダリストで、宮城県の仙台育英高校にも留学していたケニアのサムエル・ワンジル選手が、15日、自宅のバルコニーから飛び降りて死亡しました。24歳でした。
ケニアの警察によりますと、ワンジルさんは、15日夜、首都ナイロビからおよそ150キロ北西の町 にある自宅でバルコニーから飛び降り、病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されました。警察によりますと、ワンジルさんの妻が帰宅したときに、ワ ンジルさんが別の女性と一緒にいたため激しい口論になっていたということで、警察では、事故か自殺の可能性もあるとみて、妻らから事情を聞いています。ワ ンジルさんは2002年から宮城県の仙台育英高校に留学して全国高校駅伝でチームの優勝に貢献したほか、その後、福岡県の実業団チーム「トヨタ自動車九 州」に入り、2007年の福岡国際マラソンで優勝しました。2008年には21歳で北京オリンピックに初出場し、ケニア勢としては初めて金メダルを獲得し ました。おととしと去年にはシカゴマラソンで2年連続で優勝しましたが、ことし1月には交通事故でけがをし、先月行われたロンドンマラソンを欠場していま した。ワンジル選手が実業団のトヨタ自動車九州に進んだあとから指導にあたっている渕脇勝志さんは、ワンジル選手が亡くなったことについて、「信じられま せん。今でも間違いであってほしいと思っています。日本とケニアで距離が離れていましたが、日本での親代わり、兄代わりだったので、もっと相談相手になれ なかったかと悔しいです」と話しています。ワンジル選手の仙台育英高校時代の恩師で、陸上部で指導にあたった渡辺高夫さんは「みずから命を絶つということ が理解できません。彼が北京オリンピックで金メダルを獲得したとき、『私から我慢することを教えてもらったことが結果につながった』と話していましたが、 今回はなぜ我慢ができなかったのか残念です」と話しています。
”- 北京五輪で金 ワンジル選手死亡 NHKニュース