Quantcast
Channel: Shiitake's tumblr.
Viewing all articles
Browse latest Browse all 46471

"スモークがたかれ、レーザー光線が照らすなか、理事長の木村剛が壇上に現れると、パワーポイントを時折使っての基調講演が始まった。「大志共鳴」「切磋琢磨」「互恵互栄」「唯一生き残るのは変化できる者である」 一..."

$
0
0

スモークがたかれ、レーザー光線が照らすなか、理事長の木村剛が壇上に現れると、パワーポイントを時折使っての基調講演が始まった。「大志共鳴」「切磋琢磨」「互恵互栄」「唯一生き残るのは変化できる者である」 一時間半に及ぶそのなかで、木村は教育や研修、雇用をその年の重点分野に挙げ、大学の買収も臭わすなど、相変わらず遠大な構想を一人熱く語り続けた。(中略)

そして最後はいつものようにアメリカのオバマ大統領に倣って会場全体で気勢を上げた。「イエス!」壇上の木村がそう叫ぶと、それに続けて全員が唱和した。「ウィ・キャン!」 それを三回繰り返すのである。

凋落 木村剛と大島健伸 P.236

このセンスである。上記引用部では途中を省いたが、省略した部分ではアントニオ猪木が成績優秀者にビンタをするというベタな余興や、お笑い芸人を司会に据えてのクイズ大会の様子が語られていた。この全編を通じて散りばめられた凄まじい量のバッド・センスは、かつてナンシー関が提唱したヤンキーの美学と完全に一致する。上のイベント、実は氣志團のライブイベントですと言われても何の違和感もない。「イエス・ウィ・キャン」、オバマ大統領に倣ってというか、ただのパクリである。

これは、急速に拡大したネットワークに自らの尊厳を重ねることで陶酔した結果などではない。こんなに完成度の高い”外した”感じのバッド・センスを、人は一朝一夕で身につけられるものではない。考えられる可能性はただひとつで、木村剛のセンスはもともとこういうものだったということだ。

「カラオケで日銀に採用された」という露悪的なギャグを飛ばしつつ、怪しい会合にも積極的に顔を出し、織田信長と坂本龍馬を自身に重ね、スモークとレーザー光線のなかで四字熟語を連呼するような人を、普通”エリート”とは呼ばない。これは完全に”ヤンキー”である。



- 木村剛はなぜ暴走したのか - よそ行きの妄想 (via rpm99)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 46471

Trending Articles