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- Fisherman’s Memoir #2 - Fisherman’s Memoir (via otsune)
魚倉には、予め冷蔵水が満タンになっている。 そのため、マグロを積み上げたり、並べることはできない。 しかも魚倉内の冷蔵水の水温が0.1度変わるだけで、マグロの鮮度に影響するため 人が入る事等出来ない、人の体温で冷蔵水が上がってしまうのだ。
魚倉にマグロを収めるには、魚倉の入り口からマグロを魚倉の奥に向けて 差し込むように入れるしか無い。 全ては、冷凍長の頭の中にある「魚倉の形状の記憶」を元に マグロが魚倉の中で綺麗に並ぶよう、冷凍長の勘をたよりに入れて行く。
冷凍長は、マグロを入れるために全てのマグロを腰の高さくらいまで持ち上げ 魚倉の入り口等にマグロがぶつかり、傷つけないように慎重にマグロを収めなければならない。
80キロあろうが、100キロであろうが 一人で持ち上げられなければ、船中の笑い者にされてしまう。 しかし、ダンベル等とちがい、マグロには持ち上げるための取手も無いし 魚特有の肌を守るためのヌメリがあるため、持ち上げると滑るのだ。 そのため、ある程度の握力も必要となる。
そうやって、マグロ船乗りの体は作られて行くのだ。
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