この電話インタビューが、これまでの将棋ソフトの常識を覆すような驚きの内容の連続だった。まず、これまで将棋ソフトの開発者といえば、開発者自身もある程度の棋力を持つというのが常識だったが(一例として、「激指」開発チームの鶴岡慶雅氏がアマ初段程度の実力だとか)、保木氏は何と「やっと最近矢倉囲い(将棋の序盤における基本的な駒の配置の一つ)を覚えました」という程度の棋力しかないという。しかも「Bonanza」の開発に当たっては、これまで学会等で発表されてきたコンピュータ将棋関連の論文等は「ほとんど読んでいない」とのこと。
(中略)
このように、従来の多くの将棋ソフトの常識を打ち破るような開発手法で開発された「Bonanza」だが、逆にそのような手法からか、通常人間は絶対指さないような手筋を見せることも少なくない。例えば決勝の第6戦・対「TACOS」戦では、31手目にいきなり自分の角を相手の銀と交換するという普通なら悪手としか思えないような手を打ち、その後おもむろに玉を穴熊(玉を将棋版の角に置き、周囲を味方の駒で完全に囲んでしまう囲い方)に囲いだすといった手を指し、解説のプロ棋士達も苦笑いしていた。また第2戦の対「KCC将棋」戦でも、詰め将棋ルーチンがないためか、終盤では相手の駒を取りまくり「血も涙もない寄せ」(勝又五段)を見せていた。
”-
【レポート】フリーソフト「Bonanza」が初出場で優勝 - 第16回コンピュータ将棋選手権 | ホビー | マイコミジャーナル
本当に発明的なアイデアの時は参考の論文に当たらないでいい。論文にあたりたがるのは職業研究者というよりは研究者のすがたをしたアカデミックプロパーという気がする。研究で成果を出したいと言うより研究を利用してキャリアを積みたいという感じの。まーそう感じるのは僕が現場の人間だからだろうな。現場は手を動かした奴が偉いのだ基本。
(via yaruo, eigokun) 2009-05-01 (via gkojay) (via mnak)
↑ この人は将棋の論文には当たらずに、チェスの論文に当たりまくったという話だった気が。チェスの方のコンピュータプログラムを参考にしたので。Bonanza以前は将棋のセミプロみたいな人しかコンピュータプログラムが作れなかったんだけど、将棋のスキルに依存しないモデルにしたという。
(via eigokun)