“ 土地を選び、家を建て、菜園を耕し、隣家からの目隠しに塀をめぐらせ、門柱を飾った――そうした個人の営みから、海岸の平野部に居住地がひろがっていったマクロな過程まで、すべてに目配りすることがこれからの復興に求められている。
私が今回の観察から伝えたいことは、つまりこういうことだ。市街地は複雑系であるから、計画的な復旧・復興は途方もない難事業で、社会のあらゆる層が同時に動かなければ解決しない。それは困難だが、同時進行する限り、ライフゲームの ようにめざましく進行していくことも確かだ。道路が直れば重機が届く。水道が出れば汚れを洗い出せる。昨日まで手が出せなかった障碍も、一日ごとに誰かが 解決し、やれることがどんどん増えていく。被災者は一人ではなく、世界中が手を差し延べていることも、きっと実感されるだろう。
行政にも被災者にも外部の支援者にも不満は蓄積しているだろうが、どうか他人には優しくあってほしいと思う。誰もが困難な闘いをしているのだから。
ものの本によると、世界の大災害のあとにはきまって理想の復興計画が立てられるが、たいてい住民の反対に遭ってうやむやになるらしい。これは複雑系の宿命だから、自分たちの地域がそうなっても絶望しないでいよう。それは復興が民主的に行われている故のことだ。”
- 東北紀行(2) 桜の山と瓦礫の海 - 野尻blog (via noshirocket)
私が今回の観察から伝えたいことは、つまりこういうことだ。市街地は複雑系であるから、計画的な復旧・復興は途方もない難事業で、社会のあらゆる層が同時に動かなければ解決しない。それは困難だが、同時進行する限り、ライフゲームの ようにめざましく進行していくことも確かだ。道路が直れば重機が届く。水道が出れば汚れを洗い出せる。昨日まで手が出せなかった障碍も、一日ごとに誰かが 解決し、やれることがどんどん増えていく。被災者は一人ではなく、世界中が手を差し延べていることも、きっと実感されるだろう。
行政にも被災者にも外部の支援者にも不満は蓄積しているだろうが、どうか他人には優しくあってほしいと思う。誰もが困難な闘いをしているのだから。
ものの本によると、世界の大災害のあとにはきまって理想の復興計画が立てられるが、たいてい住民の反対に遭ってうやむやになるらしい。これは複雑系の宿命だから、自分たちの地域がそうなっても絶望しないでいよう。それは復興が民主的に行われている故のことだ。”
- 東北紀行(2) 桜の山と瓦礫の海 - 野尻blog (via noshirocket)