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" ではどうしてこの「5月1日」だったのでしょうか? (1)アフガン増派軍の撤退を7月からスタートするという日程から逆算すると、この時期にビンラディンを殺害しておけば、万事がスムースに行くという計算があ..."

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 ではどうしてこの「5月1日」だったのでしょうか?

(1)アフガン増派軍の撤退を7月からスタートするという日程から逆算すると、この時期にビンラディンを殺害しておけば、万事がスムースに行くという計算があると思います。

(2)これに従って、アフガン派遣軍のペトレイアス司令官をCIA長官に、CIAのパネッタ長官を国防長官にという「横滑り人事」を丁度発表したばかりです。そしてゲイツ国防長官の勇退も発表されています。その翌日にビンラディン殺害の成功を報じて、この3人の「戦功」を輝かせるというのは、オバマ流の人心掌握術として恐怖すら感じさせられます。

(3)エジプトとリビアのデモが「高揚しつつ不安定な状況」は避けたかったのだと思います。ビンラディン殺害が、民主化デモを反米デモに変える危険は絶対に排除する必要があったからです。英国のロイヤル・ウェディングが済むのも待たねばならなかったでしょう。「この日」の選択は非常に微妙な中で決まったのだと思います。

(4)オバマの支持者のコアには「大学生」という存在があります。アメリカの大学は5月中旬には夏休みに入ってしまいます。そうなると、大学生はバラバラの存在になってしまいます。その前に「オバマ万歳」をさせておいて帰郷させるというのは夏の政局に大きな影響があるからです。

(5)ここで「殺害成功」として世論を盛り上げておいても、オバマの支持率はやがて下がるでしょう。それでも、もう一度9月には「9・11の十周年」でオバマを主役にする事が可能です。そこまで計算すると、やはりこの5月初旬という時期が効果的という計算があると思います。

(6)6月には仏ニースでのサミットがあります。サミットに近すぎると、フランスでは厳しい警戒が必要になるわけで、逆に遠すぎるとこの「成果」が忘れられた中でのサミットになります。1カ月前というのは丁度良いタイミングだとも言えます。

 いずれにしても、今回の事件は「オバマという政治的怪物」の真骨頂だと言えるでしょう。良い意味でも悪い意味でも、オバマは2期目を射程に入れてきたと思われます。



- ビンラディン殺害「2つの疑問」とは? | プリンストン発 新潮流アメリカ | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (via hirai)

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