カチューシャ(ロシア語:Катюша、ラテン文字表記:Katyusha)は、第二次世界大戦においてソビエト連邦が開発・使用した世界最初の自走式多連装ロケットランチャー。カチューシャの名は愛称で、制式名は、82mm BM-8(БМ-8 ベーエーム・ヴォースィェミ) および 132mm BM-13(БМ-13 ベーエーム・トリナーッツァチ) である。
なお、自走式多連装ロケットランチャーを指す俗称としてこの名が用いられることがある
カチューシャは公式名称ではないが、前線に配備されると間もなくソ連の赤軍兵士たちの間で広まった。ロシア人女性の愛称であるカチューシャが、なぜこの兵器の愛称として命名されたのかは諸説あり定かではないが、一説によると、製造元の工場名の頭文字である“К”が刻印されていたため、前線の兵士達が当時流行していた歌「カチューシャ」にひっかけて、カチューシャと呼び始めたものと推測される。
これに対し、彼らと戦っていたドイツ陸軍の兵士は、この兵器の外観および発射時に鳴り響く音がオルガンに似ていたことから、「スターリンのオルガン」と呼んだ。
カチューシャは、ロケットランチャーの代表的なものとして一般によく知れ渡った。そのため、しばしばカチューシャの名は、ゲリラ兵がよく使用する小型のロケット砲全般の呼称として使用されることもある。また、西側ではソ連・ロシア製の自走式多連装ロケットランチャーすべてに対する俗称として用いられることもある。