「未来のある若者に任せてはいけない」
「福島原発暴発阻止行動隊」を呼びかけた山田恭暉(72)さんは、住友金属工業に技術者として30年勤め、製鉄や環境・廃棄物処理、プラント建設などを手がけてきた。原発についても「新事業の研究で構造や問題点、安全性などを勉強してきた」経験をもつ。
現在、原発の事故現場には下請けや孫請け企業を含め、知識や経験もない人が、ハローワークなどで集められては投入されている。東京電力の、そんな場当たり的な対応に危機感を募らせた。
もし原発が暴発すれば、首都圏をも含めた広範な汚染が発生する可能性がある。それを防ぐには、ホースによる散水のような一時的な処置ではな く、10年間安定して作動する冷却設備を設置して、これを故障することなく保守、運転し続けなければならない。しかも、この冷却設備の建設や保守、運転は すでに高度の放射線物質に「決死の覚悟」で行わざるを得ないのだ。
暴発という最悪のシナリオを避けるため、どのような設備をつくることが必要か、放射線汚染を減らすためにどうしたらよいのか、「国家プロジェクトとして考えるべき」と山田さんはいう。
その中で、実際の作業にあたる作業員について「被爆しないで作業にあたることが現実としてむずかしいことは明らかで、だからこそしっかりとした知識や経験のある技術者が作業すべき」と訴えた。
賛同者30人超、応援団130人超が集まる
放射線に汚染された環境の中で設備の建設や保守、運転のためには数千人の訓練された有能な作業員を用意する必要があることは間違いない。少なくとも、数分間の作業で戻ってくるというような仕事ではないことを、東電も政府関係者もわかっているはずだ。
山田恭暉さんは「現場の作業や技術の蓄積のある退役者たちが、次世代のために働くべきだ。こういうことは未来のある若者には任せてはいけない」と話している。
呼びかけには、2011年4月22日までに30人超が参加を表明。また、「行動隊」の必要性を政府や国会に働きかける「応援団」(賛同者)も130人超が集まっている。
”- 福島原発で危険作業志願 高齢エンジニアたち「決死の覚悟」 : J-CASTニュース (via nakano)