元々「エル特急」という呼称自体に明確な定義がなかった事に加え、その後一部例外を除いてほぼ全ての特急に自由席が設けられたり、全国的に急行が大幅に削減されて特急に吸収されたり、新幹線の 延伸により並行在来線の特急が廃止となるケースが増えたりする等様々な影響により、徐々に本数の多い特急にあえてこの呼称を与える意義が薄れてゆく。利用 者からも「普通の特急とエル特急は料金も異なるのか」といった疑問も寄せられ、列車種別として区別すること自体への否定的見解も多くなっていた。
特に、国鉄のJR転換後は、各会社間でその呼称に対する解釈の食い違いが目立ってくる。例えば、「白山」の様に運行終了に近い1990年代には1往復しかないのに「エル特急」を名乗ったり[1]、速達列車を強調するための「スーパー○○」の方が本数が多いのにもかかわらず「エル特急」を名乗らない場合も出てきた。また、空港連絡特急のうち、「はるか」は、1998年12月以降は自由席も設けられるようになったが、かなりの運行本数があるにもかかわらず、エル特急を名乗っていない。
こうした風潮の中、東日本旅客鉄道(JR東日本)では「特急」との区別が判り難いということで、2002年(平成14年)12月1日のダイヤ改正により東海旅客鉄道(JR東海)から乗り入れる「しなの」を除いて自社内で運行している全てのエル特急の呼称を廃止、単なる「特急」に改称した。四国旅客鉄道(JR四国)でも2011年3月12日のダイヤ改正でエル特急の呼称を廃止する予定である。
九州旅客鉄道(JR 九州)では新しく設定された列車であっても、積極的にエル特急の呼称を使用していたが、これは、系統分割・愛称の変更によるものである。そのため、基本的 には旧国鉄時代に新幹線接続電車特急として「エル特急」の指定を受け、それをそのまま引き継いだ形で運転されていたが、JR時刻表・JTB時刻表の2008年7月号よりその呼称を止め、案内上でも2008年7月頃より使用をしていない。
同様に、西日本旅客鉄道(JR西日本)でも、他社から乗り入れる列車を除いてJR・JTB両時刻表の2010年3月号ではエル特急の表記が消えている。
一方で北海道旅客鉄道(JR 北海道)では、「特急=長距離・指定席中心(自由席が少ない)」「エル特急=中短距離・自由席中心(指定席は1両のみ)」という区別が今でも明確に守られ ており、利用者側にも定着している。しかし、駅放送案内などでは単に「特急」と呼ばれるケースもしばしば見受けられるようになっている[要出典]。
”- エル特急 - Wikipedia