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"1970年に、三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で東部方面総監を監禁し、自衛官に決起を促し、そして自殺した事件があった。僕はこの出来事は、作家三島由紀夫の意思で起きた事件だったんだろうと今まで思っていた..."

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1970年に、三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で東部方面総監を監禁し、自衛官に決起を促し、そして自殺した事件があった。僕はこの出来事は、作家三島由紀夫の意思で起きた事件だったんだろうと今まで思っていた。ところが、この事件の背景にかなり自衛隊が深く関わっていることを、この本で僕は知った。

 この「自衛隊は誰のものか」の中の三島事件の箇所の資料は、山本舜勝『自衛隊「影の部隊」』講談社(2001)であることを知り、僕も新宿の紀伊国屋でこの本を入手して読んでみた。すると、全学連による反政府運動は日増しに激化し、今にも共産革命が起こるのではないかという当時の社会世情の中で、国家の防衛に強い危機感を感じていた旧日本陸軍出身の自衛隊幹部とアメリカ陸軍とCIAは自衛隊によるクーデターを望んでいたとのことである。アメリカは、中ソ接近による極東アジアでの共産主義勢力の拡大に対抗するため、日本が憲法を改定し、自衛隊が国軍になってアジアの共産主義に対する西側陣営の防衛を本格的に担ってくれることを望んでいた。つまり、彼らはクーデターの機会を求めていたのだ。

 一部の自衛隊幹部は、日本国内での新左翼運動と、各地の都市闘争の勃発に対して、自衛隊が治安維持出動をしデモ隊を鎮圧して、そのままクーデターへと流れ込み、かくて自衛隊を国軍として社会に認知させようと考えていたという。彼らにとって、国を憂い、自衛隊の覚醒を論じていた三島由紀夫と関係を持つことは願ってもないことだった。



- 『パトレイバー2』と三島由紀夫: 深夜のNews (via otsune)

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