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- 自分の名前が肩書きになる生き方のほうが面白い(野口健) | web R25 (via igi)
清掃登山は、エベレストに散乱する日本人登山隊が捨てていったゴミを目の当たりにして、「日本人のマナーは三流」と揶揄する欧米の人たちに「こんちくしょう! 見返してやろう。ゴミを拾えばいいんだ」という単純な理由で始めたんです。僕個人に対するバッシングならかまわないんですけど、日本人全体のバッシングとなると、熱くなって引くに引けなくなっちゃう。日本が国際社会で低く見られていることが我慢ならなかったんですよね。
ところが、頂上を目指す目線ではなく、足下を見ながら山を登ってみると、いろんなことがわかってきたんです。例えば、ドイツ、ノルウェー、デンマークの登山隊はゴミをちゃんと持ち帰るとかね。
そういう登山隊の国は国内でも環境に対する意識が高いけど、日本のようにゴミを捨てていく登山隊の国は、国内の環境への意識も低い。つまり、エベレストのゴミに社会の縮図があったんですよ。
それで、テーマは日本の中にあると思い、2001年には富士山での清掃活動を始めたんです。
富士山をきれいにするんだから、みんなに受け入れてもらえると思っていたら、とんでもない。いろんなところから反発されたんです。環境問題は自然相手じゃなく、人間社会が相手なんですよ。環境保全の流れになって公共工事ができなくなると懸念されたりね。いろんな団体や利権がからむので、複雑で面倒。でも、日本の社会をよくしたくてやってるから、へこたれるわけにはいかない。僕だって好きで臭くて汚いゴミを拾ってるんじゃありません。
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