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"で、中でも『プリキュアオールスターズDX』の監督を務める大塚隆史に対するインタビューの中に、非常に印象的な部分があったので引用したい。 大塚:でも極端な話をすると、おそらく子どもは映画の内..."

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で、中でも『プリキュアオールスターズDX』の監督を務める大塚隆史に対するインタビューの中に、非常に印象的な部分があったので引用したい。


大塚:でも極端な話をすると、おそらく子どもは映画の内 容はあまり覚えてないとも思っています。おもしろかったとか怖かったとかの漠然とした感情はあると思いますが、僕はむしろ子どもたちにとっては「映画を観 に行く」という行為そのものが楽しいんだと思うんです。映画に行く前日の晩からわくわくして、当日はプリキュアの服を着て、お父さんやお母さんと手をつな いで映画館に向かう。映画館ではお父さんが普段は買ってくれないポップコーンを買ってくれたり、特典のミラクルライトがもらえたりして、真っ暗映画館の中 で初めての高揚感を味わう。映画を観終わった後は、食事をして「楽しかったね」と感想を話しあう。人生で初めての「映画」という体験が、家族そろっての幸 せなものだったなら、この映画はその役割を果たしている。そこにある「映画」は作品的な嗜好より、楽しい一日のきっかけや手助けになるような作品内容にな れば素敵だなぁと思って、僕はこの映画の監督をしています。僕自身も子どもの頃に、弟たちと一緒に父親に連れられて初めて映画を観に行って、わくわくした 経験がありまして。その時の記憶や感情がいまの自分の目指すものや仕事をする原動力になっているんです。ちなみにその映画は、西尾大介監督の『映画ドラゴ ンボールZ この世で一番強いヤツ』だったんですけど(笑)。


――おお、『ふたりはプリキュア』の西尾シリーズディレクターの作品ですね。西尾シリーズディレクターから大塚監督への想いが継承されていますね。


大塚:親父が珍しくポスターやパンフレットなんかを買っ てくれたりしました(笑)。あのときのような楽しい一日になることが、僕の目指すプリキュア映画の姿なんです。子どもたちにとって映画はイベントであり、 アトラクションであり、フェスティバルだと思うんです。ミラクルライトを「もらった」「振った」ことが楽しい記憶になって、お父さんやお母さん、お姉ちゃ んや妹たち家族や友達との楽しい一日になったなら、僕らがこの映画をつくった意味がきっとあるし、僕がこの世に生まれてきた意味も少しはあるんじゃないか なぁーなんて思うんです。劇中で幸せとかを説教臭く語る必要なんてないんです。だってもうすでに大好きな人と映画を観るという、楽しくて幸せな一日がそこ にあるんですから。


これはさ、いわば「おれ達プログラムピクチャーとして最高のものを作りますよ宣言!」だと思うんだよね。


「映画」ってものの本質は、倉庫に納められたフィルムでも、ハードディスクの奥底に保存されている電子データでもなく、客の前で上映されて初 めて「映画」たりえるのだ、ってことだと思う。『プリキュア』ってのは、ヒラヒラの服を着た美少女がキャーキャー言いながら踊り戦うアニメなのだけれど も、「客にみせてこその映画」という部分を外していないのは流石東映だと思ったよ。



- 冒険野郎マクガイヤー@はてな - [【映画】][【書籍・雑誌】][【アニメ】]映画を観るという、楽しくて幸せな一日 (via toronei)

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