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- 鉄道100年の運行制御、デジタルで一新 仙台で稼働へ :日本経済新聞
「列車同士の間隔調整から踏切まで、制御の仕組みが大きく変わる。世界的にも最先端なのは間違いない」。新システム「ATACS(アタックス)」を担当するJR東日本・鉄道事業本部電気ネットワーク部の馬場裕一課長は新たに導入する仕組みの革新性をこう表現する。
鉄道は19世紀後半から100年以上、路線を複数の区間に分けて、他の列車が同じ区間に入らないようにすることで衝突事故を防いできた。線路に電流を流すことで、特定の区間内に列車が存在するかどうかを確認。もし列車がいた場合、地上に設けた信号機で各列車の運転士に同区間には入らないよう指示する形式が長い間主流だった。
ただこの仕組みでは、レールに電流を流したり信号機を作動させたりするため、線路周辺に多くの配線や機器が必要となる。屋外の設備が多いほど設置・保守の費用に加え、信号故障などのトラブルも増えてしまう。「地上設備をいかに減らすかは鉄道にとって長年の課題だった」(同課長)。また前の列車と十分な距離があっても、「次の区間」に列車がいれば進めないため、効率的な運行にも限界があった。
今回のシステムはこうした「ボトルネック」を根本から変えてしまうものだ。
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